【限界利益と限界費用~利益を最大化するための考え方~】
https://team-mgr.net/news/1192-2/
こちらの続編となります。
この号では、実際にはあるモノを一つ増やすために必要な費用(=限界費用)について、
ジュースとパンで説明いたしました。
ペットボトルのジュースは一人で飲むよりも人数が増えれば一杯あたりは安くなる、
パンは1個焼くよりも2個、3個と増やした方が一個あたりは安くなる、という話でした。
この考え方を事業にあてはめると固定費や設備投資費用も考えないとなりません。
設備投資を加えた事例を検討しましょう。
自宅で学習塾を開いていた講師が人気が出て、庭にプレハブ教室を建てるとします。
現在、10人に教えているとします。
それを30人にしたいとします。
20人の増です。
建設費用はいくらまで負担できるか? 誰もがそこを計算しますよね。
実際には売上高も踏まえて計算しますが、今回は限界費用のみでみてみましょう。
仮に建設費用を200万円とすると生徒と一人当たりの限界費用は
200万円÷20人=10万円です。
300万円だと限界費用は15万円、
400万円だと限界費用は20万です。
400万円だと限界費用が2倍になります。
これは厳しいですね。
では、限界費用を10万円のままにしておく計算をしましょう。
400万円÷10万円=40人
生徒を40人増にしなければなりません。
限界費用が10万円と小さければ、事業拡大は容易で攻めの経営が可能となりますが、
2倍の20万円になるのであれば、もしくは生徒数をの増を2倍にしないとならないのであれば
慎重にならざるを得ません。
これが限界費用からみた考察です。
計算上ではこのように簡単にいくらでもシュミレーションできます、実際は
現在の10人を20人増の30人、更には30人増の40人、40人増の50人にしたときに
講師は一人で足りるのか? 場所は狭くないか?
というようなことを考えなくてはなりません。
例えば、奥さんや息子を手伝わせる、アルバイト学生を確保する、移転するなど
もっと投資して生徒数を更に増やせないか?と事業の飛躍拡大も検討したくなります。
そして50人が可能だと判断できたとします。
そうなると増える人件費、新たにどこかに教室を借りてそこを改装する費用を含めた
新たな限界費用の計算が始まります。
このように限界費用を中心に事業規模の拡大検討また逆に縮小検討ができます。
投資をいくらできるかという資金用意の視点と同時に限界費用視点も重要です。