限界利益という言葉を耳にされた方は多いと思います。
売上-変動費=限界利益
です。
よく覚えていないという方のために少し述べます。
変動費は生産量や販売量など、売上に比例して変動する費用で、
原材料費や仕入にかかる費用などが該当します。
限界利益を利用して損益分岐点を求めると
利益を生むために必要な売上高を把握することができます。
損益分岐点売上=固定費÷{1-(変動費÷売上高)}
固定費:300万円
変動費:600万円
売上高:1,000万円
とすると、損益分岐点は
300万円÷{1-(600万円÷1,000万円)}=750万円
計算式をもっと簡単にすると
損益分岐点売上=固定費÷限界利益率
です。この場合の限界利益率は0.4(=40%)なので
300万円÷0.4=750万円
売上が750万円を下回ると赤字になります。
売上が損益分岐点売上まで落ち込むのに何%余裕があるかということを示す比率を
「経営安全率」と言います。
この場合は25%です。
優良企業は20%前後です。黒字企業の平均は5~10%と言われます。
御社はどの程度でしょうか?
実はここまでが前置きです(ナガスギルダロウ!)
限界利益に比べてさらに耳にしにくい「限界費用」という言葉をご存知でしょうか?
例えば、コーラの1.5Lペットボトル(¥180円とします)を
飲むときのことをイメージして下さい。
一人で飲む一杯目は300mlのコップで飲んだとして180円です。
兄と一緒に飲むとなると300ml×2で一杯90円です。
弟とも一緒にムとすると300ml×3で一杯60円です。
お姉さんも一緒に飲むことになりました。300ml×4で一杯45円です。
妹も一緒に飲むとなると300ml×5で一杯36円です。
このように飲む量が増えるにつれて、一杯あたりの値段が変わってきます。
このような考え方をすることが限界費用です。
わかりやすくするためにコーラをシェアする事例でお伝えしましたが、
実際にはあるモノを一つ増やすために必要な費用とご理解ください。
パンを製造するときのことを考えると限界費用がよりわかりやすくなります。
パンを焼くときには、一個分の材料しか用意しない、ということはありません。
複数個焼くための材料を用意します。
オーブンで焼くときも一個ずつではなく、纏めて焼きます。
ということは、一個目より、二個目、三個目と数が増えると
限界費用は安くなるのです。
じゃあできるだけたくさん作った方が良いんだ、と調子に乗ると
在庫が増えたり、消費期限が迫ってきたり、別の悩ましいことが出てきます。
しかしながら、数が増えると安くなる限界費用を知っておくことは大事です。
弊社はダメですが、ITの会社は業績が好調です。
何故なら、ソフトウェアは1個作るのにめちゃくちゃコストが掛かりますが、
2個目はコストがほとんどただ同然になるからです。
売れる数が増えれば増えるほど、コーラの事例のようにコストが下がります。
やがて、製造コストを回収できるとそこから先は利益のみ残ります。
弊社はまだ回収するところまで行っていないので、まだまだ限界費用が高いです(ToT)。
さて、近々、この限界費用に固定を加えた考察をお届けする予定です。
お楽しみになさってください。